口腔ケア・リハビリ実践により発語を取り戻し 摂食機能の向上も見られた症例 報告

『口腔リハビリによる摂食・嚥下機能へのアプローチ』
廣瀬和美介護福祉士(介護老人保健施設 洛西けいゆうの里
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90代女性 5年前脳梗塞を発症し以後入退院を繰り返し 徐々にADLが低下し昨年12月の時点では要介護度5となり 口が開かないためにインジェクションでのトロミ付きミキサー食 言葉を発しない方への口腔ケア・リハビリ実践により発語を取り戻し 摂食機能の向上も見られた症例を報告します。

入退所を繰り返すうちに 口の周りが固くなりシリンジさえも入りにくい状態となり、口腔内にハブラシを入れての清掃も出来ない状態(開口できない状態)となっていた利用者さんに対して 介護職の中から 
『もう一度、声が聞きたい 口の中のケアをして 誤嚥を防ぎたい』という声が上がり 食機能を守る会を通じて知り合った歯科医師による診察を受けることとなりました。

歯科医師が始めて診察した昨年12月の時点では
下口唇は上唇に隠されていて 下口唇を無理に引き出すと赤く腫れ上がっていた状態。下唇を強く噛み込むことで顎関節が硬直して体全体の硬直を招いていた状態でした。
歯科医師の指導に従って口腔内マニュピレーションを毎食前後に介護職が行い 全身のリハビリ時にも口腔周辺の筋肉を柔らかくするリハビリを加える事となりました。

★口腔内マニュピレーション★
上口唇から指を入れ、頬まで届いたらすくうように下口唇を引き出す。
下口唇の筋の少し上のあたりに指を入れてそのまま保つ。
初めの頃は痛みを感じるので無理をしないでつらさを感じないよう少しずつ行う。

今年2月に2度目の歯科医師による診察では
「あー」「うー」一音ずつなら 発せられるようになり 口をすこし開けられるようになりました。

現在(10月)リハビリ職とは筆談で意思の疎通を図っているが 日常接している介護職には発語して意思を伝えてくれるようになりました。口腔内の緊張がやわらぎ 口腔内や舌がきれいになり むせも少なくなりました。
食事の指示はトロミつきのミキサー食をシリンジでという状態が続いていますが ご家族の方も希望で「本人が好きなものを食べさせてほしい」という事で 今ではご家族の方が持参したスポンジケーキや 果物をすこしずつ 口の中で舌や顎を動かしながら食べられるようになりました。

症例を振り返っての考察1口腔機能改善での取り組みには、医師(医学的対応)・看護士(全身管理)・リハビリ(運動バランス・生活バランス)・管理栄養士(栄養管理)・歯科医師(歯科的対応)・歯科衛生士(口腔機能の評価)と協力し、介護職が積極的にチームに参加して生活支援を行う事が重要であると考えら その望ましいネットワークは介護にかかわる多職種の協力を介護職がコーディネートすると在宅でも施設でも、快適な食生活を最期まで楽しむ事ができると考えられます。

症例を振り返っての考察2今回の症例は、利用者とのふれあいを密接に行い言語的コミュニケーションが図れなくなった利用者が発語を取り戻せた事例である。
ご本人と息子様も発語ができ涙ぐまれたのが印象に残っています。
介護職として、仕事を通じて生きがいを感じられる体験ができました。
いつまでも利用者様に快適な生活を送っていただきたいと考えています。

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